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第8回 超よくわかる「経営・管理」(第1回)  ~厳しくなった要件をわかりやすく説明~


今回は、令和7年10月に要件が厳しくなった「経営・管理」について説明します。

令和7年6月末で4万5千人弱の資格保有者がいます。

いつものように、先ず在留資格該当性で、外国人の方々が日本においてこの在留資格で行うことができる活動の内容を見ていきましょう。

次に上陸許可基準該当性で、日本に上陸するときの許可、その後の在留資格の変更や在留期間の更新を行うときの許可の基準を見ていきましょう。

1. 在留資格該当性について

在留資格該当性とは、外国人の方が日本において行おうとする活動が、入管法別表第一の下欄に掲げる活動、又は別表第二の下欄に掲げる身分又は地位を有する者が行う活動のいずれかに該当することです。

「経営・管理」の在留資格該当性については、入管法別表第一の二の表の「経営・管理」の項の下欄において、以下のように規定されています。

経営・管理の法律規程

具体的に、どのような活動であるかは、入管分野のバイブルであり、ベストの書籍である「入管法と外国人労働管理・監査の実務」(弁護士 山脇康嗣先生著、新日本法規、P357)に分かりやすい解説があります。

それによると、上記の「貿易その他の事業」の「貿易」は例示であり、要するに、「事業の経営を行う活動」叉は「事業の管理に従事する活動」が該当します。以下のような類型が考えられるとされています。

「経営・管理」の活動の類型

①日本において事業の経営を開始してその経営を行い、又は、当該事業の管理に従事する活動

②日本において既に営まれている事業に参画してその経営を行い、又は、当該事業の管理に従事する活動

③日本において事業の経営を行っている者(法人を含む)に代わってその経営を行い、又は、当該事業の管理に従事する活動

「事業の経営を行う活動」とは、事業の経営又は管理に参画する者、具体的には、社長、取締役、監査役等が行う活動が該当します。なお、監査役は、社長や取締役よりも厳しく審査が行われます。

「事業の管理に従事する活動」とは、内部組織の管理的業務に従事する職員、具体的には、部長、工場長、支店長等が行う活動が該当します。

これらは、「又は」で結ばれているので、一方の活動のみに従事することも、双方の活動に従事することも可能です。

2. 「経営・管理」の在留資格の明確化等について

さて、「経営・管理」に係る在留資格の運用の明確化及び透明性の向上を図るため、ガイドラインが策定されています。そのポイントをご紹介します。

(1) 事業の継続性について

外国人が経営又は管理に従事する事業が安定して継続的に営まれるものと客観的に認められること(事業の継続性)が必要とされます。

事業活動は様々な要因で赤字決算となり得ますが、当該事業の継続性については、単年度の決算状況を重視するのではなく、貸借対照表の状況等も含めて総合的に判断することが必要であることから、直近二期の決算状況により次のとおり取り扱うこととされています。

事業の継続性の判断

ア)直近期又は直近期前期において売上総利益がある場合

a 直近期末において欠損金がない場合
→事業継続性に問題はない

b 直近期末において欠損金がある場合
(a)直近期末で債務超過となっていない場合
→原則、事業継続性ありと認める、ただし、
 今後1年間の事業計画書及び予想収益資料の提出が必要
(b)直近期末で債務超過であるが、
直近期前期末では債務超過でない場合
→事業継続性を認める、ただし、
 1年以内の具体的な改善の見通しが前提
(c)直近期末及び直近期前期末ともに債務超過である場合
→原則、事業継続性ありとは認めない

イ)直近期及び直近期前期において売上総利益がない場合
→原則、事業継続性ありとは認めない

(2) 事業者としての義務の履行について

 在留資格「経営・管理」で在留する外国人は、事業の運営を適正に行うことが求められ、自らの運営する会社(個人事業を含む)が、次のとおり各種公的義務の履行に関する法令を遵守する必要があります。

ア)租税関係法令を遵守していること

国税(所得税、法人税等)及び地方税(住民税、事業税等)を適切に納付している必要があります。

イ)労働関係法令・社会保険関係法令を遵守していること

雇用する従業員の労働条件が労働関係法令に適合していることが必要です。

また、労働保険の適用事業所である場合は、当該保険の加入手続を適正に行い、保険料を適切に納付していることが求められます。

その他、健康保険及び厚生年金保険の適用事業所である場合には、当該保険の加入手続を行っていること、及び雇用する従業員の健康保険及び厚生年金保険の資格取得手続を行い、保険料を適切に納付していることが求められます。

3. 経営又は管理に従事する者が行う現業活動

経理又は管理に従事する者が、主たる活動としての経営又は管理にあたる活動のほかに、その一環として従たる活動として行う現業に従事する活動は、「経営・管理」の在留資格の活動に含まれます。

例えば、「経営・管理」の在留資格を有している飲食店のオーナーシェフが、その経営の一環として現業活動、つまり調理活動を行っても、それが従たる活動に留まる限りは、資格外活動とはなりません。

一方で、「経営・管理」では、現業活動への従事が厳しく制約される傾向にあります。

したがって、実務上は、オーナーシェフが調理活動に従事することは、臨時的・例外的なものでない限り、基本的には認められません。


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