特定技能の外食業については受け入れ上限に近づいたので(2026年3月末で95.4%)、2026年4月から新規受入れが停止されました。
そのため、大手外食産業はもちろん全国の飲食店でも人材の確保に苦しんでいるとの報道がありました。
また、外食分野では他の企業で働いている特定技能外国人の引き抜きも起こっているのでしょう。
特定技能外国人の賃金が上昇しているという統計もありました。
次は、飲食料品製造業(26年3月末で72.2%)、建設(2026年3月末で67.2%)でも受け入れ停止が行われる可能性があります。
地方では都市部に比べて、外食業の賃金も低いと思います。
都市部の外食業は地方の外食業に比べて、特定技能外国人に高給を提示できるので、地方の外食業で働いている特定技能外国人が都市部の外食業に転職することも増えると思います。
そういった特定技能外国人の転職を専門に扱うブローカーもいます。
外食業では新規受け入れを停止してしまったために、特定技能外国人の限られたパイの奪い合いが起きているわけです。
今回は、外国人を特定技能や技能実習で雇用するのにどれぐらいの期間がかかるのか、次回は、どれぐらいの費用がかかるのかを解説します。
外国人がどれぐらいの借金を背負って来日しているのかを理解すれば、彼らが高い賃金を求めて都市部に転職してしまうことにも納得がいくかもしれません。
日本人の地方の若者でさえ、都市部の賃金や生活にあこがれて地方から転出します。
日本に縁もゆかりのない外国人が大きな借金を背負って来日するのですから、自分の企業に縛り付けておくことは不可能です。
さらに、永住資格については、資格取得要件として、日本人世帯の平均収入を上回る水準の額の収入を継続して得ていること等の厳格化を検討しています。
日本が好きで将来的に永住を希望するような外国人はそのためにも少しでも賃金の高い都市部で働くようになるでしょう。
外国人を雇用するのにどれぐらいの期間がかかるのか、どれぐらいの費用がかかるのかを理解すれば、受け入れた外国人に少しでも長く働いてもらうために賃金、福利厚生、教育等を充実させることの重要性が分かると思います。
地方でも、賃金だけではなく、総合力で都市部に負けない魅力を提供している企業もあります。
一部のインバウンド外国人の行儀の悪さ、東京大阪でのたくさんの高級マンションの外国人による購入、一部の経営管理の在留資格取得者の制度の悪用等が引き金となって、外国人政策の厳格化を求める一部の政党が支持を集め、政権与党もそういう一部世論を受けて在留資格制度の厳格化を進めています。
しかし、日本経済を支える全国の人手不足に苦しむ企業を救うには外国人の受入れの拡大は不可欠と思います。
地方では賃金を上げても、もはや現場労働に必要な数の日本人は集められないでしょう。
地方企業の声を国政に届けるためには、地元出身の国会議員に陳情して、外国人受入れの重要性を国政に反映してもらえるように、全国の企業が立ち上がる必要があるように思います。
人手不足で苦しむ全国の地方の声を国政に届ける必要があると思います。
1.外国人を雇用するのにどれぐらいの期間がかかるのか
(1) 海外在住の外国人を雇用する場合
以下の図の(1)をご覧ください。

先ずは、人材の募集、面接を行います。人材の募集については、人材紹介会社に依頼したり、採用したい外国人の国の現地の送り出し機関や日本人学校に依頼します。
面接の結果、当該外国人を採用したい場合は、内定後、雇用契約を締結します。
当該外国人は日本に上陸しようとするときには、上陸しようとする出入国港において、入国審査官に対し上陸の申請をして、上陸のための審査を受けなければなりません。
入国審査官は、審査の結果、外国人が上陸のための条件に適合していると認定したときには、当該外国人の旅券に上陸許可の認印をします。
上陸のための条件は入管法第7条第1項第1号~第4号に規定されています。
このうち、第2号は、在留資格に係る条件に関するもので、活動の真実性、在留資格該当性、上陸許可基準適合性から構成されます。
入管法第7条の2により、この第2号の在留資格に係る条件への適合性について、法務大臣があらかじめ審査・認定する手続として在留資格認定証明書の交付手続が定められています。
在留資格認定証明書交付申請は、外国人材を受け入れようとする企業の職員が代理人として申請ができます。
または、弁護士、行政書士等の申請取次者により申請書等の提出が可能です。
国内の代理人が在留資格認定証明書の交付を受けた後、その原本を申請者である国外にいる外国人に送付し、外国人がその国の在外公館に持参して査証の申請を行い、査証の交付を受けます。
その後、査証が添付された旅券を持ち、飛行機等で日本に上陸し、上陸許可を受けて日本に上陸します。
国によって、また特定技能、技能実習等の在留資格によっても、異なりますが、海外在住の外国人を採用する場合は、約4~7カ月はかかると考えられます。
(2) 国内在住の外国人を雇用する場合
先ほどの図の(2)をご覧ください。
先ずは、人材の募集、面接を行います。人材の募集については、人材紹介会社に依頼します。
面接の結果、当該外国人を採用したい場合は、内定後、雇用契約を締結します。
国内在住の外国人は何らかの在留資格を有しています。
大学や専門学校の新卒者であれば留学、既に働いている場合は特定技能、技術・人文知識・国際業務等で在留していることが考えられます。
現在の在留資格が「留学」である場合や採用後の業務が現在の在留資格の活動に含まれない場合は、在留資格変更許可申請を行います。
また、特定技能の在留資格では、法務大臣が特定技能外国人ごとに受入機関を指定していますので、転職で受入機関が変わる場合は在留資格の変更許可を受ける必要があります。
なお、技能実習は基本的に転職は認められません。
国内在住の外国人を採用する場合は、海外在住の外国人を採用する場合よりは短く、約2~5カ月かかると考えられます。
次回は、外国人を特定技能や技能実習等で雇用するのにどれぐらいの費用がかかるのかを解説します。