今回は、外国人を特定技能や技能実習で雇用するのにどれぐらいの費用がかかるのかを解説します。
外国人を雇用するのにどれぐらいの費用がかかるのかを理解すれば、受け入れた外国人に少しでも長く働いてもらうために賃金、福利厚生、教育等を充実させることの重要性が分かると思います。
1.外国人を採用するのにどれぐらいの費用かかるのか
(1) 技能実習(育成就労)の場合
技能実習には、2つのタイプがあります。
一つ目は企業単独型技能実習と呼ばれ、日本の企業等の海外の事務所等の職員を当該日本の企業等に招聘し、技能等を習得するため、技能実習生が当該日本の企業等で講習を受け業務に従事する制度です。
二つ目は団体監理型技能実習と呼ばれ、日本の営利を目的としない法人(事業協同組合等)により受け入れられて必要な講習を受けること、及び当該法人による実習監理を受ける日本の企業等で業務に従事するという制度です。
2027年度から開始される育成就労においても、同様に、単独型と監理型の2つのタイプがあります。
企業単独型技能実習は、受け入れ国に子会社等を有している必要があるため、以下では、中小企業から大企業まで広範に利用されている団体監理型技能実習を例に説明します。
以下のイメージ図と表をご覧ください。


まとめると、採用までにかかる主な費用は以下のとおりです。
技能実習生を海外から採用する場合の主な費用
①当初費用 ⇒約30~50万円以上
・監理費(初期費用)
技能実習生の募集・選抜に要する費用、日本への渡航費用、入国前・入国後講習に要する費用・手当等
②入国前後にかかる費用
・在留資格変更が必要な場合の費用、住居費
③定期的な費用 ⇒約3~5万円/月
・管理費(定期費用)
監査・訪問指導費用、送出機関に支払う費用等。
④不定期の費用 ⇒15万円程度
・監理費(不定期費用)
帰国にかかる渡航費、技能検定試験料、技能実習生の保険料等。
なお、上記のイメージ図のとおり、送出機関は、監理団体の他に、技能実習生からも、日本に渡航するための手続きや費用、日本語教育、さらには生活支援費用として手数料を徴収しています。
外国人の技能実習生が送出機関や仲介者に支払っている費用の総額は平均すると54.2万円にもなります。
外国人が送出機関等へ支払った費用総額は国ごとに以下の表のようになります。
一人当たりGDPで換算すると、いかに大きな負担感があるのかが分かります。ミャンマー、カンボジアあたりの支払いの負担感は700万円にも上ります。
いわゆる技能実習生の失踪はこのような大きな借金を負っていることから、給与の手取りが想像以上に少なかった等の何らの理由により発生します。
このため、育成就労では、上記のイメージ図にあるように、外国人が送出機関に支払う全ての費用は月給の2か月を超えてはならないという新ルールが導入されます。

(2) 特定技能の場合
以下の表をご覧ください。

まとめると、採用までにかかる主な費用は以下のとおりです。
渡航費用や住居費を特定技能外国人の負担とすることもあります。
特定技能で海外から採用する場合の主な費用
①当初費用 ⇒約10~50万円以上
・マッチング媒体(職業紹介事業者等)への支払い
②入国前後にかかる費用
・在留資格変更が必要な場合の費用、日本への渡航費用、住居費
③定期的な費用 ⇒約2~3万円/月
・登録支援機関費
④不定期の費用
・特定技能2号試験費用等
(3) 技術・人文・国際業務の場合
以下の表をご覧ください。

まとめると、採用までにかかる主な費用は以下のとおりです。
特定技能に比較して、当初費用の職業紹介事業者等への支払いの費用が高くなります。
渡航費や住居費は技人国の外国人の負担とすることが多いです。
技人国で海外から採用する場合の主な費用
①当初費用 ⇒年収の20~30%から40%~70%等
・マッチング媒体(職業紹介事業者等)への支払い
②入国前後にかかる費用
・在留資格変更が必要な場合の費用等
2. 採用した外国人が辞めないための取組について
採用した外国人がすぐに辞めてしまうと面接のために海外に出張した費用や住居を準備した費用など様々な経費が無駄になります。マッチング媒体に支払った手数料も無駄になりかねません。
また、次も外国人を採用できるかよく分かりません。
特定技能は分野によっては今後受入れ停止になることもあります。
労働人口がどんどん減っていく時代に、外国人材の定着は会社が生き残っていくための重要な戦略と考え、以下のようなことに留意して、取り組んでいきましょう。



