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第14回 超よくわかる「特定技能」(第5回)【外食業分野の受入れ停止の衝撃】 ~とても重要だけど、すごく複雑な特定技能制度をわかりやすく説明~


特定技能制度の全体像として全ての特定技術分野に共通した制度の基本について説明してきましたが、今回は、令和8年4月に大変話題となっている外食業分野の特定技能の受入れの停止についてご紹介します。

令和8年3月27日に入管庁と農水省から、特定技能「外食業分野」における受入れの停止、具体的には、在留資格認定証明書の一時的な交付の停止措置を講ずることが突然発表され、関係の業界に衝撃を与えています。

どうしてこのような事態になったのか、その理由をわかりやすくご説明していきます。

1. 特定技能1号の受入れ見込数について

特定産業分野及び育成就労産業分野を所管する各省庁は、分野別運用方針において、それぞれの分野ごとの特定技能1号及び育成就労の5年ごとの受入れ見込数について示さなければならないこととなっています。

令和8年1月23日の関係閣僚会議及び閣議において新たな分野別運用方針が決定され、以下の2のところの表のように令和6年度から令和10年度までの5年間の受入れ見込数が設定されました。

これらの受入れ見込数は、大きな経済情勢の変化が生じない限り、特定技能1号や育成就労の受入れの上限として運用されることとなりました。

特定技能1号の受入れ見込数等

この受入れ見込数については、以下のような計算式で算出されています。

受入れ見込数の計算式

受入れ見込数 = 5年後の人手不足数 -(生産性向上 + 国内人材確保)

上記の表にあるように、令和6年度から令和10年度までの5年間の特定技能1号の受入れ見込数は、令和6年3月のときに初めて設定され、820,000人となっていました。

その後、育成就労の開始に伴って、令和8年1月に新たな分野別運用方針が策定されましたが、そのときにこの特定技能1号の受入れ見込み数が見直され、上記の表のように805,700人へと減らされています。

上記の計算式における生産性向上や国内人材確保をより多く見込んだのではないかと考えられます。

また、育成就労の受入れ見込み数は426,200人となっています。令和7年6月末の技能実習生が449,432人ですので、技能実習制度が置き換わる育成就労制度もほぼ同水準の受入れを想定しているものと考えられます。

受入れの停止を発表した外食分野の特定技能1号については、令和6年3月のときに受入れ見込み数を53,000人で設定していましたが、令和8年1月の見直しのときに50,000人へと減らしたばかりのところでした。

2. 外食業分野の特定技能の受入れの停止

外食業分野における特定技能1号の在留者数は、令和8年2月末で約46,000人となり、令和8年5月頃に受入れ見込数、すなわち、受入れ上限の50,000人を超えることが見込まれるそうです。

このため、令和8年3月27日に入管庁と農水省は以下のような方針を発表しました。

外食業分野の特定技能の受入れの停止の発表

特定技能1号(外食業分野)の在留資格認定証明書交付申請について
2026年4月13日以降に受理した申請は不交付

特定技能1号(外食業分野)への在留資格変更許可申請について
2026年4月13日以降に受理した申請は、原則として不許可
ただし、次の(a)、(b)に該当する場合は、審査の上、受入れ見込数の範囲内で順次許可する。
((a)を優先して処理する)
(a)技能実習(医療・福祉施設給食製造作業)を修了し特定技能1号(外食業分野)に移行する方
(b)既に、外食業分野に係る特定活動(特定技能1号移行準備)の許可を受けており、特定技能1号(外食業分野)に移行する方

外食業分野の特定技能1号の受入れ見込み数を令和8年1月の見直しのときに50,000人へと減らした矢先の受入れ停止だったので、関係の業界が大きな衝撃を受けているわけです。

政府の想定をはるかに上回って、外食業分野の特定技能1号の在留者数が増えたのではないかと思われます。

少なくとも5年間の期間が終わる令和10年度までは、外食業分野の特定技能1号の受入れ停止は続くのではないかと予想されます。

特に人手不足が非常に深刻な地方の外食業にとっては、最後の手段である外国人雇用が困難になり、深刻な影響があるのではないかと思われます。

3.特定技能の受入れを希望する企業の今後の対応策

外食業分野のような事態は他の分野でもありえますので、特定技能1号の在留者数が増加して、受入れ見込数に近づいてきているときは十分な注意が必要です。

特定技能1号の外国人を受け入れたい企業は、受け入れたい特定技能1号の特定産業分野に関する半期ごとの「特定技能在留外国人数」の統計データを入管庁のWebサイトでチェックします。

その上で、もしその数が受入れ見込数に近づいている場合は、在留資格認定証明書交付申請を急いで行うことが重要です。

また、自社の特定産業分野の特定技能1号及び育成就労の受入れ見込み数を上記の表で確認し、建設や工業製品製造業のような育成就労の受入れ見込数も十分大きい分野については、特定技能1号の前段階の育成就労生から受け入れて育てていくことも有力な対応策となります。

このような対応策については、入管業務を得意とする行政書士、弁護士に御相談ください。


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