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第12回 超よくわかる「特定技能」(第3回) ~とても重要だけど、すごく複雑な特定技能制度をわかりやすく説明~

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今回は、特定技能1号に係る在留資格該当性を構成する5つの要件、①特定産業分野該当性、②業務区分該当性、③受入機関適合性、④支援計画適合性、⑤契約適合性について、一つずつわかりやすく説明していきます。

以下のように、特定技能制度の適切な運用には、入管法の幅広い理解はもとより、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、労働契約法、労働者派遣法、労働施策総合推進法、雇用保険法、国民年金法、厚生年金保険法、健康保険法などの労働関係法制及び社会保険関係法制の知識が不可欠です。

例えば、特定産業分野の業務区分ごとに、特定技能外国人が従事できる業務が決まっていますが、このような認められた業務を超えた業務をさせると、外国人には資格外活動罪、企業の方には不法就労助長罪が適用されます。

また、企業が以下の3.の受入機関適合性等を満たさず、在留資格該当性がない状態で、外国人を就労させると、不法就労助長罪が成立します。

不法就労助長罪については、令和7年6月に厳罰化され、5年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、またはこれらが併科されるようになりました。

問題を起こしたときにマスコミに企業名が報道されたり、企業のレピュテーションリスクも深刻です。

特定技能外国人を受け入れる際には、入管法、労働関連法制、社会保険関連法制に詳しい、信頼のおける行政書士、弁護士に相談いたしましょう。

1. 特定産業分野該当性

前々回の第10回で説明しましたが、「特定技能」で就労が可能となるのは、特定産業分野(人材を確保することが困難な状況にあるため外国人により不足する人材の確保を図るべき産業上の分野として法務省令で定めるもの)であって法務大臣が指定するものに該当する場合です。

ここで言う法務省令である特定技能分野等省令において、これまで特定産業分野として16分野が規定されていました。

令和9年度から育成就労制度の運用が開始されますが、それに当たって、令和8年1月に「特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針及び育成就労に係る制度の運用に関する方針(新たな分野別運用方針)」等が閣議決定されました。

これにより、従来からの特定技能だけの分野別運用方針は廃止されました。

この新たな分野別運用方針の中で、「特定産業・育成就労産業分野」として、以下の入管庁の資料のように、新たに「リネンサプライ」、「物流倉庫」、「資源循環」の3分野が追加され、19分野となることが決まりました。

この3分野は令和9年度に受入れが開始されることが見込まれています。

特定産業分野・育成就労産業分野の一覧

なお、技能実習制度を廃止し創設される育成就労制度は、その目的が我が国での3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を有する人材を育成するとともに、当該分野における人材を確保することです。

このため、育成就労産業分野は特定産業分野に包含されるように設定されます。

したがって、上記の入管庁の資料でも、「特定産業・育成就労産業分野」と記載されています。

令和9年度から運用が開始される育成就労制度については、近々、この「みんなの外国人雇用」のブログで分かりやすく説明いたします。

2. 業務区分該当性

特定技能1号の場合は、上記の法務大臣が指定する分野に属する法務省令(特定技能分野等省令)で定める相当程度の知識又は経験を必要とする技能を要する業務に該当することです。

特定技能2号の場合は、上記の法務大臣が指定する分野に属する特定技能分野等省令で定める熟練した技能を要する業務に該当することです。

特定技能分野等省令では、1号の「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」及び2号の「熟練した技能」について、それぞれの特定産業分野に係る分野別運用方針及び運用要領で定める水準を満たす技能とすると規定されています。

したがって、各分野ごとの分野別運用方針、運用要領、運用要領別冊をきちんと確認する必要があります。

ただ、これらの該当箇所を探すのがかなり大変なので、分からない場合は専門の行政書士や弁護士にしっかり相談しましょう。

なお、この技能水準は、一般的には、各特定産業分野の業務区分ごとに技能試験で確認することになります。

特定技能外国人は、このような所要の技能水準を要する業務として、各業務区分に該当する業務に従事します。

この業務区分も随時追加が行われています。

令和8年1月に閣議決定された新たな分野別運用方針において、上記の入管庁の資料のとおり、業務区分についてもたくさんの区分が追加されています。

このように特定技能制度については、入管庁が世の中のニーズに適時適切に応えるために頻繁に改正を行っていますので、最新の状況は行政書士や弁護士等の専門家に確認しましょう。

制度改正が多いので、法律書等の情報もさすがに内容の改訂が追い付いていませんので、ご注意ください。

3. 受入機関適合性

特定技能雇用契約の相手方となる本邦の公私の機関、つまり、特定技能の受入れ機関自体が満たすべき基準であり、以下の2つがあります。

(1) 契約適正履行確保基準

要件に適合した特定技能雇用契約の適正な履行の確保のために、受入れ機関自体が満たすべき基準であり、内容は以下のとおりです。

契約適正履行確保基準

(2) 支援計画適正実施確保基準

要件に適合した1号特定技能外国人支援計画(4.を参照)の適正な実施の確保のために、受入れ機関自体が支援体制関係で満たすべき基準であり、内容は以下のとおりです。

登録支援機関に計画の全部の実施を委託する場合は、自動的に本基準に適合するとみなされます。

支援計画適正実施確保基準

4. 支援計画適合性

特定技能1号の活動を行おうとする外国人と特定技能雇用計画を締結しようとする本邦の公私の機関は、1号特定技能外国人支援計画の作成が必要になります。

特定技能省令で、1号特定技能外国人支援計画の記載事項及び基準が以下のように規定されており、これらに適合する必要があります。

支援計画適合性

また、入管庁の資料で、支援計画の記載事項のうち1号特定技能外国人への支援の内容をわかりやすく説明した資料がありますので、以下に載せておきます。

なお、このうちの⑩の定期的な面談についてですが、令和7年4月からオンラインでも実施することも可能になりました。

オンラインで実施する場合は、特定技能外国人を受け入れる際に、その旨の同意を当該外国人から得た上で、「1号特定技能外国人支援計画書」の該当欄にチェックを入れて入管庁に提出する必要があります。

支援計画のうちの支援の内容

5. 契約適合性

特定技能雇用契約が満たすべき内容に関する基準が定められており、これらに適合する必要があります。

具体的には、特定技能省令で、雇用関係に関する事項に係る基準(雇用関係事項基準)として、労働基準法等の労働法令を遵守することのほか、以下のような条件が規定されています。

また、外国人の適正な在留に資するために必要な事項に係る基準(適正在留事項基準)も以下のように規定されています。

契約適合性


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