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第6回 超よくわかる「技術・人文知識・国際業務」(第1回)  ~最もメジャーな在留資格をわかりやすく説明~


これまで説明してきた在留資格のうち、「技術・人文知識・国際業務」は、永住者、技能実習に次いで、第3位の資格保有者(令和6年末で約41.9万人)がいる最もメジャーな在留資格の一つです。

日本で機械工学等の技術者、通訳、デザイナー、語学講師等になる場合に取得が考えられるような高度外国人材を受け入れるための重要な資格です。

今回と次回にわたって、「技術・人文知識・国際業務」をわかりやすく説明していきます。

1.「技術」類型、「人文知識」類型について

「技術・人文知識・国際業務」は、平成26年の法改正により、「人文知識・国際業務」と「技術」の在留資格を統合してできた資格です。略して、「技人国(ぎじんこく)」とも呼ばれます。

前回説明したように、「技術・人文知識・国際業務」は、在留資格該当性に加え、上陸許可基準適合性も求められる資格です。

在留資格該当性と上陸許可基準適合性は、日本に上陸を希望する外国人の上陸審査における4つの条件の一つです。

そのような外国人からあらかじめ申請があったときは、在留資格該当性及び上陸許可基準適合性などを満たしているかどうかについて、出入国在留管理庁が事前に審査を行い、満たしていると認定される場合に在留資格認定証明書を交付します。

また、「留学」などの在留資格から「技術・人文知識・国際業務」の在留資格に変更(在留資格変更許可申請)する際や在留期間を更新(在留期間更新許可申請)する際にも、在留資格該当性に加えて、変更や期間更新を適当と認める(狭義の)相当性の一環として、上陸許可基準適合性が審査されます。

「技術」、「人文知識」に関する上陸許可基準と「国際業務」に関する上陸許可基準の内容はかなり違っています。

このため、2回に分けて、説明していきます。

今回は、「技術」類型、「人文知識」類型について説明します。

2. 在留資格該当性について

「技術」類型、「人文知識」類型の在留資格該当性については、入管法別表第1の2の表の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄において、以下のように規定されています。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の取得を考える際は、第1ステップとしては、申請人が日本国内で行おうとしている就労活動が上記の表の「技術・人文知識・国際業務」の項の下欄の「本邦において行うことができる活動」と整合するものであるかを確認する必要があります。

(1) 「本邦の公私の機関との契約に基づいて」について

「本邦の公私の機関」については、法人、さらに法人格を有しない個人事業主でも対象となりえますが、雇用等を行う機関の事業の適正性、安定性、継続性の立証が必要ですので、個人事業主は一般的にハードルが高くなると考えられます。公私の機関には、国、独立行政法人、地方公共団体、公益法人、任意団体なども入ります。

ちなみに、在留資格認定証明書の交付を申請しようとする者は申請書の記載内容に関する立証資料を提出することになっています。

外国人が活動を行う機関の規模に応じて、カテゴリーが1から4まで分類されています。上場企業等のカテゴリー1は提出する立証資料が大幅に省略されています。カテゴリー3、4のような規模の小さい個人事業主、法人、団体は直近の年度の決算文書の写しなど多くの立証資料が必要になります。

カテゴリーごとの立証資料は、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格認定証明書交付申請の提出書類一覧をご覧ください。

なお、「契約に基づいて」については、直接雇用契約のみならず、派遣就労に係る派遣事業者との雇用契約や業務委託契約も含まれます。

(2) 「自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を要する業務」について

出入国在留管理庁の『「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について』では、以下のように解説しています。

自然科学の分野には、理学、工学のほか、農学、医学、歯学及び薬学等が含まれます。

また、人文科学の分野には、法律学、経済学、社会学のほか、文学、哲学、教育学、心理学、史学、政治学、商学、経営学等が含まれます。

いずれの場合も、前提として、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする活動でなければなりません。

この一定水準以上の専門的能力については、技能実習や特定技能の在留資格もあるため、それらの外国人が従事する現業的要素の多い業務と区別するという観点から、求められる専門性が高くなってきています。

一般的に、求人の際の採用基準に「未経験可、すぐに慣れます。」と記載のあるような業務内容や、「技術・人文知識・国際業務」の上陸許可基準に規定される学歴又は実務経験に係る要件を満たしていない日本人従業員が一般的に従事しているような業務内容は、対象となりません。

また、外国人が活動を行う機関において、そのような専門性の高い業務に継続的に従事できるだけの業務量が存在することを立証する必要があります。

(3) 現業的業務の取り扱いについて

例えば、機械工学等の専門的能力を要する業務に従事する活動として、「技術・人文知識・国際業務」に該当するものであるか否か判断が分かれるものに自動車整備等の業務があります。

専ら自動車の検査、修理等を行うような現業的な業務は、「技術・人文知識・国際業務」に該当しません。

自動車整備士2級以上の資格を有し、資格のない整備工等に対する指導を行なったり、近い将来、整備の主任者となるなど、その業務に高い専門性がある場合は該当すると考えられます。

また、外国人客が多い大規模なホテルで、主な業務としては外国人客誘致に関する営業戦略策定を担当するが、外国人客が多い時期に、急遽、宿泊客の荷物を部屋に運搬する等の現業的業務を行うことがあるかもしれません。

このような場合については、行おうとする活動が、「技術・人文知識・国際業務」に該当するものであるか否かは、在留期間中の活動を全体として捉えて判断することとなります。

したがって、例えば、「技術・人文知識・国際業務」に該当すると認められる専門的能力を要する活動は、活動全体として見ればごく一部であり、その他の部分は、特段の技術又は知識を要しない業務や、反復訓練によって従事可能な業務を行う場合には、「技術・人文知識・国際業務」に該当しないと判断されます。

また、流通業界などにおいて、本社勤務社員等の研修として、1~2年程度の店舗での現業的な業務に従事することがあるかもしれません。

このような場合には、行おうとする活動に「技術・人文知識・国際業務」に該当しない業務が含まれる場合であっても、それが入社当初に行われる研修の一環であって、今後「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務を行う上で必ず必要となるものであり、日本人についても入社当初は同様の研修に従事するといった場合には、「技術・人文知識・国際業務」に該当するものと取り扱われます。

3. 上陸許可基準適合性について

「技術」類型、「人文知識」類型の上陸許可基準については、上陸基準省令の技術・人文知識・国際業務の項の下欄において、以下のように規定されています。

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の取得を考える際の第2ステップは、申請人が日本国内で行おうとする具体的な活動を明確にし、当該活動に必要となる専門的知見や経験を特定します。

そのうえで、申請人がその必要とされる専門的知見や経験を有しているかという観点から検討していきます。

出入国在留管理庁の『「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について』では、上記の上陸基準省令に基づき、以下のように解説しています。

上陸許可基準では、自然科学又は人文科学の分野に属する技術又は知識を必要とする業務に従事しようとする場合は、次の①あるいは②のいずれかに該当することが必要です。

従事しようとする業務に必要な技術又は知識に係る科目を専攻していることが必要であり、そのためには、大学・専修学校において専攻した科目と従事しようとする業務が関連していることが必要です。

なお、大学における専攻科目と従事しようとする業務の関連性については、従来より柔軟に判断されます。海外の大学、高等専門学校についてもこれに準じた取扱いです。

一方で、専修学校における専攻科目と従事しようとする業務については、相当程度の関連性を必要とされ、厳しく審査されます。

なお、大学卒業者ではなく専門学校卒業者で専門士を付与された者の場合でも、関連性が認められた業務に3年程度従事した者については、その後に従事しようとする業務との関連性については、柔軟に判断されます。

実務経験の期間には、大学等において関連科目を専攻した期間も含まれます。

また、「技術・人文知識・国際業務」に該当する業務に10年従事したことまで求めるものではなく、関連する業務に従事した期間も実務経験に含まれます。

なお、基本情報技術者試験、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験など、法務大臣の定めるIT告示で定める情報処理技術に関する試験に合格している方などは上記の①②に該当することが求められません。

また、「技術・人文知識・国際業務」の上陸許可基準では、共通して、次の③に該当することが求められます。

日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けることが必要です。

ここで報酬とは、「一定の役務の給付の対価として与えられる反対給付」 をいい、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するものは含みません。

4. 具体的な在留資格の取得申請の検討について

外国人の方々が日本国内で具体的にどのような就労活動を行なおうとしているのか、どのような学歴や実務経験を有しているのかは千差万別だと思います。

個々のケースで上記のような慎重なマッチングの検討が必要になりますので、入管業務を専門とする行政書士、弁護士に御相談されるのが良いと思います。

また、出入国在留管理庁の『「技術・人文知識・国際業務」の在留資格の明確化等について』の別紙3では、様々な許可・不許可事例が掲載されています。

これらをもとに自分のケースについて検討してみることが有益と思います。

【参考】

別紙3の事例
1 本国の大学を卒業した者に係る許可事例(P1)
2 本邦の大学を卒業した留学生に係る事例(P3)
3-1 本邦の専門学校を卒業し、専門士の称号を付与された留学生に係る事例(一般的な事例)(P6)


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