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第15回 超よくわかる「特定技能」(第6回)【介護(1)】 ~すさまじい人手不足の対策の最後の希望、特定技能介護をわかりやすく説明~


厚生労働省が令和7年5月に発表した「介護人材確保の現状について」によると、介護職員の必要数を満たすためには、2022年度に比べて、2026年度には約25万人、2040年度には約57万人も職員を増加させる必要があるとされています。

一方で、別の推計によると、少子化により、我が国の大卒、高卒の新卒就職者の総数は、2040年の前に50万人を割り込むというものがあります。

毎年の新卒就職者の全員を介護職員に回しても足りないというような、介護分野では恐怖で震え上がるような人材不足の時代が到来します。

介護分野での外国人の受入れの大幅拡大が喫緊の課題です。

今回から、特定技能の個別分野の紹介シリーズを始めますが、先ず最もニーズの高い分野である介護分野について説明します。

入管庁は、特定技能在留外国人数を半年ごとに公表していますが、令和7年6月末の速報値によると、特定技能在留外国人数は約33万6千人、分野別では一番多い分野が飲食料品製造業で約8万5千人、二番目に多い分野が介護で5万5千人、三番目に多い分野が工業製品製造業で約5万1千人、四番目に多い分野が建設で約4万4千人となっています。

介護は半年前の前回公表からの増加数では最も多い分野となっています。

また、従来は特定技能や技能実習では認められていなかった訪問介護が、令和7年4月から認められることになりました。

介護分野は非常にホットな分野なので、今回からこの分野を取り上げて、わかりやすく説明いたします。

いつものように、在留資格該当性、上陸許可基準適合性と順番に説明していきます。

なお、介護分野には、熟練した技能の保有者に対する在留資格として、介護福祉士資格取得者については「介護」という別の在留資格があるために、特定技能は1号しかなく、2号はありません

在留資格「介護」については、次々回の第17回でご説明します。

1. 在留資格該当性

在留資格該当性とは、外国人の方々が日本において行おうとする活動が、入管法別表第一の下欄に掲げる活動、又は別表第二の下欄に掲げる身分又は地位を有する者が行う活動のいずれかに該当することを求めるものです。

(1) 業務区分該当性

特定技能の業務について、いかなる技能を必要とするものであるかについては、特定技能分野等省令において、基本方針にのっとりそれぞれ分野に係る分野別運用方針及び運用要領で定める水準を満たす技能とすると規定されています。

介護運用要領第3の1.によると、介護分野の特定技能外国人が従事する本来業務は、2.の上陸許可基準適合性のところで説明する試験合格等により確認された技能を要する身体介護等(利用者の心身の状況に応じた入浴、食事、排せつの介助等)の業務が該当します。

従来は、特定技能の本来業務から、訪問介護等の訪問系サービスが除外されていましたが、令和7年に対象に追加されました。

あわせて、特定技能外国人が、介護の本来業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務(例えば、お知らせ等の掲示物の管理、物品の補充等)に付随的に従事することは差し支えないとされています。

(2) 受入機関適合性(契約適正履行確保基準)

ア 就業場所

特定技能外国人の就業が認められる施設・事業は、介護福祉士国家試験の受験資格要件において介護の実務経験として認められるもののうち、厚生労働省が別途定めるものとされています。

具体的には、入管庁のWebサイトに、介護分野の特定技能外国人が就業可能な施設が整理されて以下のように掲載されています。

指定訪問介護等の訪問系サービスの施設も対象に追加されています。

イ 受入れ人数

介護告示第2条第3号によると、1号特定技能外国人を受け入れる事業所において、特定技能外国人の数が、当該事業所の日本人等の常勤の介護職員の総数を超えないようにしなければなりません。

なお、常勤の介護職員の総数には、日本人のほかに、以下の人数を加えることができます。

・「介護」の在留資格を持つ者
・「特定活動」の在留資格を持つ者のうち、EPA介護福祉士として従事する活動を指定された者
・「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格を持つ者、特別永住者を含む。

ウ 協議会への参加

介護告示第2条第4号によると、厚生労働大臣が設置する介護分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会(「介護分野における特定技能協議会」)に参加し、構成員となることが求められます。

2. 上陸許可基準適合性

介護分野の運用方針、運用要領によると、介護分野において特定技能の在留資格で受け入れる外国人材の基準に関しては、以下に定めるアの試験に合格した者、イ①を修了した者、イ②の在留期間満了した者、あるいは介護分野の第2号技能実習を修了した者とされています。

一つ一つ具体的に見ていきます。

(1) 技能水準

ア 介護技能評価試験

この試験は、介護業務の基盤となる能力や考え方等に基づき、利用者の心身の状況に応じた介護を自ら一定程度実践できるレベルであることを認定するものです。国外複数か国及び国内で現地語での試験が行われます。

イ アに掲げる試験の合格と同等以上の水準と認められるもの

① 介護福祉士養成施設修了

介護福祉士養成課程は、介護福祉の専門職として、介護職のグループの中で中核的な役割を果たし、介護ニーズの多様化等に対応できる介護福祉士の養成を図るものです。

このため、介護福祉士養成課程の修了者は、アの試験が免除されます。

② EPA介護福祉士候補者としての在留期間満了(4年間)

インドネシア、フィリピン、ベトナムとの経済連携協定(EPA)により入国し、介護福祉士を目指すEPA介護福祉士候補者としての研修は、厚生労働省の受入れ指針に基づき、介護福祉士養成施設の実習施設と同等の体制等を有する介護施設等において、介護福祉士国家試験の受験に配慮した介護研修計画に基づき、受け入れるものです。

このため、当該施設において4年間にわたりEPA介護福祉士候補者として就労・研修に適切に従事した者は、アの試験が免除されます。

なお、免除のためには、EPA介護福祉士候補者としての就労・研修を3年10か月以上修了した後、直近の介護福祉士国家試験の結果通知書を提出し、合格基準点の5割以上の得点であること及びすべての試験科目群で得点があることが必要です。

(2) 日本語能力水準

ア 国際交流基金日本語基礎テスト、又は日本語能力試験(N4以上)に加え、介護日本語評価試験

国際交流基金日本語基礎テスト、又は日本語能力試験(N4以上)の試験により、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有することを確認します。

それに加え、介護日本語評価試験を通じ、介護現場で介護業務に従事する上で支障のない程度の水準の日本語能力を確認します。

日本語能力試験(JLPT)と「日本語教育の参照枠」のレベルについては、以下のとおりです。

イ そのほか、「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と認められるもの

① 介護福祉士養成施設修了

介護福祉士養成施設については、留学に当たり、日本語教育機関で6か月以上の日本語の教育を受けたこと等が求められることに加え、入学後の2年以上の養成課程において450 時間の介護実習のカリキュラムの修了が求められます。

このため、当該介護福祉士養成施設を修了した者は、アの試験が免除されます。

② EPA介護福祉士候補者としての在留期間満了(4年間)

EPA介護福祉士候補者は入国・就労に当たり一定の日本語能力を備えていること及び訪日後日本語研修等の修了が求められること等に加え、EPA介護福祉士候補者としての研修は、日本語で実施される介護福祉士国家試験の受験に配慮した適切な内容の研修を実施するための介護研修計画に基づき、受け入れるものです。

このため、当該施設において4年間にわたりEPA介護福祉士候補者として就労・研修に適切に従事した者は、アの試験が免除されます。

なお、免除のためには、上記の技能評価試験の免除の時と同様に、直近の介護福祉士国家試験の結果通知書の写しを提出する必要があります。

(3) 技能実習2号を良好に修了した者の技能及び日本語能力の評価

「介護職種・介護作業」の第2号技能実習を良好に修了した者については、上記の(1)及び(2)の試験が免除されます。

職種・作業の種類にかかわらず、第2号技能実習を良好に修了した者については、上記の(2)のアの国際交流基金日本語基礎テスト、又は日本語能力試験(N4以上)のみが免除されます。

次回は、令和7年4月から、特定技能1号が訪問介護等訪問系サービスへの従事が可能になった件について、御説明いたします。


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