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第16回 超よくわかる「特定技能」(第7回)【介護分野(2)】 ~すさまじい人手不足の最後の希望、特定技能介護の訪問介護解禁をわかりやすく説明~


今回は、令和7年4月から、特定技能1号が訪問介護等の訪問系サービスへの従事が可能になった件について、御説明いたします。

訪問系サービスについては、利用者と介護者が1対1で業務を行うことが基本であり、介護者の適切な指導体制を十分に確保する必要があることから、令和7年3月までは、技能実習及び特定技能の在留資格で介護業務に従事する外国人は、訪問系サービスにおける従事については認められていなかったところです。

一方で、平成29年度から介護分野で技能実習生の受入れを開始し、その後、特定技能制度も創設され、外国人介護人材の受入事業所数も増加してきているところであり、入管庁で制度の見直しが行われたものです。

1. 訪問系サービスの対象

特定技能外国人が就業することが可能となる訪問系サービスについては、以下のとおりです。

なお、当該特定技能外国人は、原則1年以上の介護事業所等での実務経験を有し、介護職員初任者研修を修了した者である必要があります。

特定技能が就労可能な訪問系サービス

具体的には、介護保険法に規定する訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護及び介護予防・日常生活支援総合事業(第一号訪問事業に限る)が対象になります。

また、介護保険法に規定する訪問入浴介護及び介護予防訪問入浴介護についても従事が可能となります。

これらについては、複数人でのサービス提供が必要なサービスであるため、他の訪問系サービスと異なり、もともと1年以上の介護事業所等での実務経験を有していることや介護職員初任者研修を修了していることは求められません。

このため、特定技能外国人が介護未経験者であっても、受入事業者において適切な指導体制等を確保した上で、職場内で実務に必要な入浴等の研修等を受講させることで、これらの訪問入浴介護に関する業務に従事させることが可能です。

なお、そうした人材のキャリアパス等にも十分留意し、きめ細かな支援を行うよう、配慮することが必要です。

また、障害福祉サービスにおける訪問系サービスとしては、障害者総合支援法に規定する居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援及び移動支援事業並びに児童福祉法に規定する居宅訪問型児童発達支援が対象になります。

また、障害者総合支援法に規定する地域生活支援事業として実施する訪問入浴サービスについても従事が可能となります。

上記の介護保険法に規定する訪問入浴介護と同じく、複数人でのサービス提供が前提であり、職場内での研修やキャリアパス支援等の同様なサポートが必要になります。

「特定技能」介護人材が業務に従事する施設は、これまでは介護付き有料老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス)、特別養護老人ホームなどが中心でしたが、訪問系サービスが可能となったことにより、外部サービス利用型の住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者住宅(サ高住)なども対象となります。

例えば、社会福祉法人が複数の事業所を持っている場合に、介護未経験者の育成方策として、先ずは訪問介護は行わない事業所(有料老人ホーム等の介護施設)で入浴系サービス等で1年間経験を積んで、介護職員初任者研修を修了し、訪問介護に従事可能となったら、訪問介護を行う事業所に移るような方策も考えられます。

なお、就業する事業所が変わった場合は、特定技能雇用契約書(参考様式第1-5号)の別添の雇用条件書(参考様式第1-6号)の「Ⅱ.就業の場所」に記載する事業所名、所在地、連絡先が変更になります。

このため、入管法第19条の18第1項第1号により、14日以内に特定技能雇用契約変更に係る届出が必要となります。

この届出を怠った場合は30万円以下の罰金に処せられます。

2. 受入事業者の遵守事項と要件

外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる受入事業所は、以下の5つの遵守事項を守り、2つの要件に対応する必要があります。

<遵守事項(5点)>

① 外国人介護人材に対し、訪問介護等の業務の基本事項等に関する研修を行うこと

② 外国人介護人材が訪問介護等の業務に従事する際、一定期間、責任者等が同行する等により必要な訓練を行うこと

③ 外国人介護人材に対し、訪問介護等における業務の内容等について丁寧に説明を行い、その意向等を確認しつつ、キャリアアップ計画を作成すること

④ 外国人介護人材に対するハラスメントを未然に防止するための対応マニュアルの作成、発生した場合の対処方法等のルールの作成・共有、ハラスメント防止のために相談窓口の設置等の必要な措置を講ずること

⑤ 外国人介護人材が訪問介護等の業務に従事する現場において不測の事態が発生した場合等に適切な対応を行うことができるよう、コミュニケーションアプリの導入など情報通信技術の活用を含めた必要な環境整備を行うこと

<要件(2点)>

① 原則一年以上の介護事業所等での実務経験を有し、介護職員初任者研修等を修了した外国人介護人材であること

② 外国人介護人材が利用者の居宅に訪問して介護業務を行う可能性がある場合には、利用者・家族に対し、書面により決められた事項の説明を行い、当該利用者又は家族に当該書面に署名を求めること

3. 訪問系サービスへの従事の手続き

外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる受入れ事業所は、以下の手続き・対応を行う必要があります。

①適合確認申請

受入れ事業所は外国人介護人材を訪問系サービスに従事させる前に、国際厚生事業団に、2の遵守事項(5点)を適切に実施する体制を有していること、及び要件(2点)に対応することについて適合確認申請を行います。

事業団がこれらが全て確認できた事業所に対して、訪問系サービスに従事する外国人介護人材ごとに適合確認書を交付します。

②巡回訪問への対応

国際厚生事業団が、適合確認書を交付した受入れ事業所が2の遵守事項(5点) 及び要件(2点)を適切に実施しているかについて、巡回訪問等を通じて確認します。

③定期報告

キャリアアップ計画は定期的に更新を行い、国際厚生事業団に提出する必要があります。


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