飲食料品製造業分野は、食料品製造業、清涼飲料製造業、菓子小売業、パン小売業、スーパーマーケットのバックヤードでの製造部門など、幅広い業務に従事できます。
令和7年12月末時点(速報値)で、特定技能1号が約38万2,000人、特定技能2号が約6,700百人、そのうち飲食料品製造業分野はそれぞれ約9万3,000千人、約2,300人であり、いずれも全分野中で最多です。
令和11年3月末までに13万3,500人の受入れを予定しています。
皆さんは、出勤前の早朝にコンビニ立ち寄ったときに、弁当とかおにぎりとかたくさんの食品が並んでいるのを見たことがありますよね。
この食品はいったい工場で深夜の何時から作っているのだろうかと思ったことはありませんか。
現在、コンビニには弁当とかおにぎりの配送が1日3回から4回も行っています。
このような世界に冠たる日本の便利なコンビニへの食品供給を支えているのも、飲食料品製造業分野の特定技能外国人だと思います。
労働人口が急激に減少している日本では、特定技能外国人は日本社会を支える欠かせない存在になっています。
今回は日本人の食生活を支える飲食料品製造業分野における人手不足の最後の希望である特定技能を取り上げて、わかりやすく説明いたします。
いつものように、在留資格該当性、上陸許可基準適合性と順番に説明していきます。
1. 在留資格該当性
在留資格該当性とは、外国人の方々が日本において行おうとする活動が、入管法別表第一の下欄に掲げる活動、又は別表第二の下欄に掲げる身分又は地位を有する者が行う活動のいずれかに該当することを求めるものです。
(1) 業務区分該当性
特定技能の業務について、いかなる技能を必要とするものであるかについては、特定技能分野等省令において、基本方針にのっとりそれぞれ分野に係る分野別運用方針及び運用要領で定める水準を満たす技能とすると規定されています。
特定技能外国人が従事する業務の範囲は、以下の農林水産省の資料に非常に分かりやすくまとめられており、飲⾷料品製造業全般(飲食料品(酒類を除く)の製造・加工、安全衛生)となります。
運用要領別冊によると、「飲食料品(酒類を除く。) の製造・加工」とは、原料の処理、加熱、殺菌、成形、乾燥等の一連の生産行為等をいいます。単なる選別、包装(梱包)のみの作業を行う行為は、製造・加工には当たりません。
また、「安全衛生の確保」とは、使用する機械に係る安全確認、作業者の衛生管理等、業務上の安全衛生及び食品衛生の確保に係る業務をいいます。また、特定技能2号は、上記に加えて、飲食料品製造業全般の業務に関する管理業務が含まれます。
また、当該業務に従事する日本人が通常従事している関連業務に付随的に従事することは差し支えないとされています。
関連業務の例としては、1)原料の調達、受入れ、2)製品の納品、3)清掃、4)事務所の管理の作業があります。

また、飲食料品製造業分野の対象となる事業所の範囲については、飲食料品製造業告示で規定されており、日本標準産業分類を参照し、「主たる」業務として以下の分類を行っている「事業所」を対象範囲として決めています。
飲食料品製造業分野の対象となる事業所の範囲
① 中分類09-食料品製造業
② 小分類101-清涼飲料製造業
③ 小分類103-茶・コーヒー製造業(清涼飲料を除く)
④ 小分類104-製氷業
⑤ 細分類5621-総合スーパーマーケット(ただし、食料品製造を行う ものに限る。)
⑥ 細分類5811-食料品スーパーマーケット(ただし、食料品製造を行 うものに限る。)
⑦ 細分類5861-菓子小売業(製造小売)
⑧ 細分類5863-パン小売業(製造小売)
⑨ 細分類5896-豆腐・かまぼこ等加工食品小売業(ただし、豆腐・か まぼこ等加工食品の製造を行うものに限る。)
なお、飲食料品製造業分野には、酒類製造業、塩製造業、医薬品製造業、香料製造業、飲食料品卸売業、各種商品小売業(上記⑤を除く)、飲食料品小売業(上記⑥~⑨を除く)、ペットフード等の飼料製造業などは含まれません。
このうち、⑤総合スーパーマーケット及び⑥食料品スーパーマーケットの就労については、令和6年3月末に追加されたもので、青果物加工、鮮魚加工、食肉加工、ベーカリー製造、そう菜製造等の食料品製造部門のバックヤードが対象になります。
農林水産省の以下の資料に、飲食料品製造業分野の対象となる事業所の範囲について非常に分かりやすくまとめられています。

(2) 受入機関適合性
受入機関適合性、すなわち、適合特定技能雇用契約の適正な履行の確保に係る基準及び適合1号特定技能外国人支援計画の適正な実施の確保に係る基準については、建設告示第3条に以下を含む内容が規定されています。
ア 農林水産省、関係業界団体、登録支援機関その他の関係者で構成される飲食料品製造業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会、具体的には、以下の「食品産業特定技能協議会」の構成員となることが求められます。

イ 特定技能外国人と特定技能雇用契約を締結するときは、あらかじめ、当該特定技能外国人に対し、当該特定技能外国人のキャリアアップを図るための計画について書面を交付し、又は提供して説明をすることが求められます。
2. 上陸許可基準適合性
飲食料品製造業分野において特定技能の在留資格で受け入れる外国人は、以下に定める試験に合格した者(2号特定技能外国人については、実務経験の要件も満たす者)となります。
(1) 1号特定技能外国人
ア 技能水準(試験区分)
「飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験」
イ 日本語能力水準
(ア)「国際交流基金日本語基礎テスト」又は「日本語能力試験(N4以上)」
(イ)そのほか、「日本語教育の参照枠」のA2相当以上の水準と認められるもの
(2) 2号特定技能外国人
ア 技能水準(試験区分及び実務経験)
(ア) 試験区分
「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験」
(イ)実務経験
飲食料品製造業分野において、複数の従業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験を要件とします。
飲食料品製造業分野の特定技能外国人の基準は以下のようにまとめられています。

また、特定技能1号の在留資格については、飲食料品製造業分野に関する第2号技能実習を修了した者は、必要な技能水準及び日本語能力水準を満たしているものとして取り扱われます。
技能実習から特定技能に移行する場合の飲食料品製造業分野の対象となる事業所の範囲は以下のとおりです。

なお、飲食料品製造業分野は、現在は飲食料品製造業の区分のみですが、令和9年度からの育成就労制度の開始にあわせて、水産加工業の区分が切り分けられます。
飲食料品製造業分野から水産加工業分野が切り分けられた後も、それまでの制度下で入国した技能実習生及び特定技能外国人については、技能実習を修了して特定技能に移行する際に切り分け前の業務区分内、すなわち、上図で言うとオレンジ色の四角の範囲内で、無試験で転職できるように経過措置が設けられます。